したがって中国世論は見たところ改革への支持率は高いが、様々な付加的要求も多くなり、せっかちになり、「けちをつける」ようにもなっている。改革の支持勢力は利益の駆引きのために具体的な改革に対する反対勢力に容易に変化する。こうした相互ロスの結果、多くの改革は社会の実際の支持率が必ずしも高くなくなっている。
歴史が証明するように、改革の決意を下すことは重要であり、それがカギとなる一歩だ。だが続いて真に試されるのは、社会の様々な利益に対する改革者の調整能力だ。どの政府も調整の力は無限大ではない。したがって、改革の良いロードマップは突破力を備える必要があると同時に、政府の真の調整力と符合したものでなければならない。
中国の過去の改革はトップダウンで推し進められ、絶えずボトムアップの拍手を浴びた。だが中国の現実はとうにそうではなくなっている。現在の中国は、世論が改革に対して「鞭打つ」ように様々な要求を突きつけ、政府は改革の「勇気」を世論と競うのが難しいというのが実情だ。どんなに改革に尽力する政府でも、「保守的」に見えることがある。世論の開放された社会は、おおかたそうだ。