人民元の国際化は実体経済としての企業にとって、どのような意味をもつのだろうか。「国際金融報」が伝えた。
オランダのTKHグループN.V.系列の特恩馳光繊有限公司アジア太平洋地区財務部の楊爽会計経理は、このほど行われた欧州金融フォーラムで、「中国の外国為替管理制度の改革が一歩進むたびに、弊社のグローバル財務システムに大きな変化が生じている。もしも中国の外為管理制度が改革されて世界の他の国と同じようになれば、大手多国籍企業の財務のシステムや基準はいずれも制定し直さなければならなくなると確信する」と述べた。
一連の多国籍企業の最高財務責任者(CFO)や財務担当者は基本的に楊会計経理と同じ見方を示す。中国の外為制度改革により自社の機関、基準、法律との整合性など各方面が再調整を迫られる。財務分野にとどまらず、財務と密接に関連する調達や販売などにも大きな変化が生じる、という見方だ。
米国コーラーグループのアジア太平洋エリアの朱朝輝財務総監は、「これまでの弊社の規定では、売り手側の通貨で支払いや会計の実務を処理してきたが、人民元は自由に両替できないため、中国の売り手は為替取引による損失を被る可能性があった。現在は外国為替資金貸付では直接人民元を借り入れることができるようになり、これだけでも弊社の流動性管理は非常に便利になった。実体経済に従事する企業にとって、供給チェーンにおける資金管理がうまくいけば、流動性の管理は半分も成功したようなものだ」と話す。