中国経済は今歴史的に特殊な時期にあることから、研究と分析にはよりはっきりした枠組みと時間の位置づけが必要になる。この位置づけは、当面の中国経済にとって最大の課題であるスタグフレーションだ。2008年以降、外需が減り続けるなか、中国政府が投資拡大を通じて経済を牽引してきた。そこで貸付が急速に拡大し、流動性の緩和と経済の鈍化、人民元上昇と景気下振れ、CPI(消費者物価指数)とPPI(生産者物価指数)の逆方向の推移という3つの背離が生じた。米国は経済の深刻な衰退を代償に、かなりの金融引き締め政策を実施し、スタグフレーションに対抗して最終的に勝利した。中国がこの段階を飛び越えたい場合、最も重要になるのが金融改革と金融革新だ。
中国の状況をみると、筆者が2000年以降の経済周期を区分したところ、08年までが経済の大部分が回復と過熱の周期にあたり、08年以降、特に09年からは主にスタグフレーションと衰退にあたり、これは完全なスタグフレーションの周期を形成し、社会全体の経済と政策に深遠な影響を及ぼす可能性がある。大まかに言えば、2000年から中国経済は4つの経済周期を経験し、各周期の持続期間はそれぞれ15カ月、45カ月、51カ月、51カ月だった。経済周期はさらに回復、過熱、スタグフレーション、衰退の4段階に細分化できる。資産収益をみると、インベストメント·クロック理論の資産配分における成果は満足のいくものとはいえない。