また、金融革新の角度からもスタグフレーション現象を観察できる。理論上、経済下降とインフレ上昇は銀行を通じた資金供給が縮小するディスインターミディエーションの主な原因で、金利市場化のチャンスでもある。なぜなら人々がより高い利息の獲得、より流動性のある金融ツールを追求しているからだ。米国は当時、金利への規制を徐々に緩和し、銀行ではない金融機関に小切手口座の開設と取引残高に対する金利の支払いを認め、譲渡可能な当座預金口座や預金残高の自動振替といったサービスを認め、マネー・マーケット・ファンド(MMF)を設立するなど金利市場化に向けた措置を数多くとった。70年代、NYダウ・ジョーンズ指数はほぼ足踏み状態が続いた。米国の株式ファンドは70年代は停滞状態にある一方、MMFが急速に発展した。これはスタグフレーション期の明らかな特徴だ。
中国でも2010年から信託、銀行の資産運用業務、同業業務、「非標準化債権資産」の急速な拡張など米国とと同じような現象がみられる。最近話題のネット金融は実際は通路を提供し、その裏にはマネーファンドの存在があり、資金を銀行間市場に投入し、短期手形や短期国債に投資している。