蛇口工業区は深セン市南頭半島の東南部に位置し、東は深セン湾に、西は珠江に面している。蛇口工業区は1979年に国務院の批准を受けて成立し、中国初の対外開放型の工業区として幕を開き、輝かしい30年の歩みを始めた。
1980年代、蛇口工業区は改革開放の先駆者として、制度や基準などの面で優遇政策を受け、安価な人件費を武器に招商銀行、平安保険、ファーウェイ、TCLといった中国経済に影響を及ぼす実力のある企業を産んだ。
2000年以降、中国経済は急速に成長し、世界における存在感は大きく高まった。しかしその一方で、エネルギー消費量や廃棄物の排出量が高く、生産効率が悪いというのも周知の問題の一つである。特に深センにおいては、土地、人口、環境をめぐる問題が際立ち、伝統的な工業の優位性は縮まり、発展モデルを転換せざるを得ない状況に陥った。
こうした状況を背景に、2009年に「蛇口再出発計画」が打ち出された。これには蛇口ネットバレー建設と文化産業園建設が含まれる。同計画は、2015年までに蛇口を中国南方地域で最も先進的なネット産業区に生まれ変わらせ、ネット企業の南方地域における拠点とすることで蛇口工業区の発展モデルの転換を図ることが目的とされた。計画実施から3年間経った今、計20万平方メートルのネットバレービルの一平方メートルあたりの生産高は1200元から30000元に跳ね上がった。ネットバレーには180社あまりの企業が参入し、2012年の生産高は72億元を超えた。2015年までには300から500社の企業を誘致し、生産高を300億元に高め、一平方メートルあたりの生産高を7万1500元にする計画だ。