英フィナンシャル?タイムズ紙は12月19日、「アベノミクス、この一年で得たものと失ったものは?」と題する記事を掲載した。内容は下記の通り。
日本経済は中国経済と比べ下り坂に入っており、安倍晋三首相の最大の悩みの種となっている。これは安倍首相が、日本経済復興を目指す「アベノミクス」を推進する理由だ。アベノミクスは成功するだろうか?答えは「イエス」だが、一部しか肯定できない。デフレ脱却は可能なはずだが、経済成長の大幅な加速は可能性が低い。
アベノミクスは3本の矢によって構成される。1本目はデフレ脱却に向けた金融政策だ。2本目はフレキシブルな財政政策で、短期的に日本経済を支え、長期的に財政安定を確保することを目的とする。3本目は投資拡大と成長率アップの構造改革だ。
この3本の矢のうち、1本目が目標に命中する可能性が最も高い。日銀は今年1月に明確な物価目標を発表し、消費者物価指数の上昇率を2%にするとした。しかしこの新政策は、外部の黒田東彦氏が日銀総裁に就任後、ようやく施行に移された。黒田総裁の指導下、日銀は野心あふれる量的質的緩和策(QQE)を発表し、物価目標の早期実現(約2年内)を目指した。