日銀の新戦略は、上述した方法により日本経済をある程度振興させる可能性がある(2%の物価目標を実現できなくても)。しかし金融政策は経済内部の構造的なバランスの乱れを解消できず、基礎的な成長率の上昇に対してそれほど力を発揮しないだろう。
安倍政権は、日本経済の実質経済成長率(年間)を2%まで上昇させようとしている。これは完全に不可能とは言えないが、野心的な目標と言える。
日本の生産年齢人口は毎年約0.7%のペースで減少している。2012年時点で、日本の15−64歳の男性の就業率は80%に達しており、その他の高所得経済国を上回っている。女性は61%で、米国の62%、英国の66%、ドイツの68%を大幅に下回っているわけではない。日本は女性の就業率をさらに引き上げていくだろうが、日本経済の将来性を徹底的に覆す程度にはならない。