▽潜在的リスクはまだ解消されていない
アベノミクスに懐疑的な態度を取る学者は少なくない。彼らは長期にわたって日本経済の復興を支えることは難しいと懸念する一方、副作用への警戒感も増大している。また日本経済を苦しめているのはデフレという難問だけではなく、安倍政権が構造改革で十分な成果を上げられなければ、当面の周期的な復興から待ちこがれた持続的な成長への完全な移行は不可能になると指摘する学者もいる。
否定できないことは、アベノミクスの矢はどれにもキズがあるということだ。
第一に、積極的な財政政策を推進すれば経済成長を推進することが可能になるが、日本の債務負担も増大する。日本政府の債務残高は13年6月に1千兆円の大台を突破して1008兆6281億円に達し、日本国民一人当たり792万円の借金を背負っていることになった。これには国債、借款、政府短期証券が含まれる。
ドイツ紙「ディ・ヴェルト」によると、日本の負債率は約240%で、今や押しも押されもしない世界トップだ。金融市場には日本がギリシャの二の舞になるとみる人が大勢いる。日本が「千兆円規模の落とし穴」から脱出できると信じる人は誰もいない。現在のような負債水準では、投機筋が金利を少し押し上げるだけで、日本は苦境に陥ることになる。