▽どうやって厳格に監督管理するかが問題
これまでに出された各種の公的文書を踏まえると、人民銀がこのたびシャドーバンキングの公式な定義を発表したとはいえ、シャドーバンキングには複数の部門による管理が必要だ。機関の設置を認可したところがリスク対処の責任を負うことを原則として、監督管理の責任を合理的に分担することが必要だ。シャドーバンキングの監督管理部門は「一行三会」(人民銀行と銀監会、中国証券監督管理委員会<証監会>、中国保険業監督管理委員会<保監会>の4機関)にまたがり、中央政府から地方政府に達するものになる。このような複雑な複数の部門による管理体制の下では、監督管理が区分をあいまいにしたままで行われたり、重複や遺漏があったりすることは想像に難くなく、金融機関の監督管理には引き続き利ざやを稼ぐすき間があることが予想される。
さらに中国では現在、金融改革、人民元の金利やレートの市場化改革が行われており、金融のイノベーションが進み、金融商品の種類がますます豊富になっている。たとえば第三者機関による資金管理、非金融機関の資産の証券化、インターネットバンキングといった金融の発展がもたらした新たな事態は、結局のところだれが管理すればよいのか、すっきりと整理する必要がある。よって最終的には人民銀がシャドーバンキングを監督管理することになるとみられる。シャドーバンキングの監督管理は、リスクが大規模に爆発するのを防ぐことが狙いであり、人民銀はまさしく金融の安定維持をはかる政府の機関だからだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年1月16日