日本の安倍晋三首相がうち出した経済政策「アベノミクス」は、スタートから1年余りが経ち、国内・海外から疑問の声が上がるようになった。アベノミクスが日本の長らく苦しんできたデフレを治療する場合の処方箋は、日本銀行(中央銀行)を通じて大量の通貨を市場に投入し、円レートを引き下げ、インフレ観測を高めるというものだ。だが実施に当たってはさまざまなリスクに直面し、スーパーインフレや円の崩壊を招く可能性もある。また、安倍首相にはもともと日本にはびこるデフレ局面を転換させるだけの力はない、という見方もある。専門家の中には、アベノミクスは日本経済を崖っぷちへ追いやり、退路を断ってしまったという人もいる。人民日報が伝えた。
▽国内の設備投資は成長の力が不足 円安のマイナス影響が徐々に顕在化
アベノミクスが実施されてから、日本経済は4四半期連続でプラス成長を遂げたが、元々の欠陥によりこの政策の持続性は非常に危ういものとなっている。現在、日本経済の復興は主に株価指数などの金融市場に体現されており、利益を受けるのは主に海外の投資家だ。実体経済は、特に膨大な中小企業は、経済復興の「温かさ」を感じておらず、実体経済の活力を体現する国内の設備投資も成長の力が不足している。日本の内閣府の推計によると、2013年度の国内製造業企業の設備投資額は国際金融危機が発生する前の07年の水準のわずか40%にとどまる。中小企業が集まる東京・大田区で取材したところ、精密機械部品の加工会社の社長から、アベノミクスは輸出を手がける大企業にだけ有利だという声を聞いた。