▽構造的問題の解決を助けない 日本経済に起伏の可能性
米CNNの分析によると、アベノミクスの3本の柱のうち、金融緩和と財政出動という2本の柱は一定の成果を上げたが、残るもう1本の重要な柱である成長戦略(構造改革)は何の影響も及ぼしていない。早稲田大学ファイナンス総合研究所の野口悠紀雄顧問は、アベノミクスは日本人に一種の幻影を見させ、実質的な改革を進める日本の動力をそいでしまったという。
まだ財政・金融政策を実施することで、日本政府は非常に重要な構造改革を引き延ばしする口実を与えられた。たとえば監督管理を緩めて国際競争を開放するといった改革だ。国際通貨基金(IMF)は昨年10月、安倍政権に警告を発し、「構造改革を行わなければデフレを再現させることになり、政府の債務負担がさらに重くなる」と注意を促した。
ベルギーの有名なシンクタンク・ブリューゲルのウルフ・シニア研究員によると、安倍政権がうち出した超金融緩和政策にはたくさんの問題が潜んでおり、日本銀行の負債比率を持続的に上昇させている。たとえば長期金利が大幅な上昇を続け、日銀が資本不足に陥る可能性がある。安倍政権は流動性を大規模に増やすことによって、デフレ解消の目的を短期的には実現できる可能性があるが、構造的な問題の真の解決には少しも助けにならない。安倍政権は、日本はすでに過度に行われている投資をさらに拡大するべきだと当然のように言うが、これは間違いであることははっきりしているという。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の社説によると、今後数カ月間がアベノミクスにとって重大な試練の時期であり、日本経済は起伏する可能性がある。ある日本メディアが行った調査によると、アベノミクスが最終的に日本経済の復興を成し遂げると信じる人は、回答者の40%にも満たなかったという。