首都経済貿易大学産業経済研究所の陳及所長は「北京の都市化水準が高いのは、北京の現在の産業構造と関係する。北京において、第三次産業が市内総生産額(GDP)に占める割合は80%に上り、サービス業が大量の雇用を創出している。一方、農業の対GDP比は数パーセント程度で、農業従事者が少ないのも当然のことと言える」と指摘する。
中国社会科学院・当代都市農村発展計画院の張朝偉副院長は、「北京の都市化率は都市の常住人口がベースであり、都市化の中核は農業移転人口の市民化である。都市中心部からやや遠い郊外に住む農業従事者や都市に働きに出てくる労働者は、都市化による公共サービスや社会保障を受けることができていない可能性もある。市民化や平等な機会を与えられているかという観点から言えば、北京の都市化率は全国と同様、過大評価されれている部分がある」と指摘する。