ただ、人民元相場の変動に対する外部の見方は中国人民銀行とは異なる。全国政治協商会議委員・中国社会科学院学部委員の余永定氏は同日の「上海証券報」の取材に、「人民元の変動幅拡大に対して、学術界では2つの可能性が指摘されている。一つは、中央銀行が関与し、サヤ取りを罰する措置による結果である。つまり、サヤ取りは人民元の切り上げ予想に基づくもので、人民元建て資産の購入をあおり、ホットマネーの流入につながっており、中国の金融の安定に影響を与えているため、中央銀行は人民元安を故意に誘導したということである。もう一つは、現在海外では中国衰退を唱える声が大きいことに呼応し、資金流出が拡大したことを反映したものである」との見方を示した。
ただ、「中央銀行はすでに目的を果たしたため、現在のような傾向は長く続かないだろう」ともいう。
中央銀行による為替相場への関与について、華夏銀行の黄金老副総裁は「中央銀行が元相場に関与するのは非常に正常なことで、不当な操作行為と簡単に理解してはいけない」とし、「米連邦準備制度理事会(FRB) は為替相場への関与に対してはばかることなく直言してきた。中央銀行がそうするのも正しい選択だ」との認識を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月4日