中国科学技術部はメディアに対して、大気汚染防止の科学技術活動状況を報告した際に、「10年間の研究結果により、北京市・天津市・河北省の煙霧は内外の要因が重なった結果であることが証明されている」と表明した。中国科学技術部社会発展司司長の馬燕合氏は、「海外の経験によると、煙霧の解消には約30年の時間が必要だ。中国の場合はそれほど長い時間を要しない」と指摘した。
大気汚染の内因は、主に汚染物質の排出量の持続的な増加であり、汚染負荷量が毎年高位で推移している。外因は不利な気象条件の多発で、北京市・天津市・河北省の地形・気象条件は全体的に見て汚染物質の拡散に不利であり、穏やかな天気の確率がその他の地域を大幅に上回っている。1960年代より、地上付近の風速が四季を通じて全体的に弱まっており、穏やかな天気などの気象条件が整えば、汚染物質が急速に蓄積され、煙霧が発生しやすい。
馬氏は中国科学技術情報研究所が発表した報告書「ロサンゼルス、ロンドン、パリなどの都市の煙霧・大気汚染防止の措置と啓発」の研究成果を引用し、「ロサンゼルス、ロンドン、パリなどの都市の煙霧対策の経験によると、先進国は発展の中で中国の現在と同じような汚染の段階を経たが、現時点では汚染防止対策をほぼ完了している。海外の経験によると、煙霧は解消できるが、それには約30年の時間が必要だ」と指摘した。
馬氏は、「より厳しく効果的な環境管理要求および現代科学技術の支援があれば、中国の煙霧解消にはそれほど長い時間が必要ではないが、一挙解決は不可能だ。汚染源のコントロール、モニタリングと予報の強化、厳しい管理と法執行の他に、技術革新を続け、産業構造を調整する必要がある」と分析した。
中国科学技術部は今後、次の4つの活動に取り組む。(1)大気汚染防止の先進的な技術成果の実用化を進める。(2)クリーンエネルギーの技術開発とプロジェクトを推進し、地域内の大気汚染防止の技術と応用を強化する。(3)環境汚染の人体の健康への影響に関する研究を強化する。(4)定期的に「大気汚染防止科学フォーラム」を開催し、科学的・理性的な研究・議論のムードを形成する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月4日