■欧米自動車メーカーは援助を求めている
近年、欧米の自動車市場は低迷が続いている。経営不振に陥っている欧米の自動車メーカーらが大きな債務を抱えながら、過去の輝かしい栄光をもとに、世界中いたるところで援助を求める光景は、すでに世界の自動車市場で一般的に見られるところとなった。
フィスカーが最終的に資金援助を求めざるを得なくなった主な要因として、偶発的なトラブルに見舞われたことが挙げられる。米国のカリフォルニアに本社を置くフィスカーは2007年に設立されたプラグインハイブリッド車の新興メーカー。創始者は、アストンマーチンDB9 やBMWZ8などをデザインした著名なカーデザイナーのHenrik Fisker氏だ。フィスカーは全精力を傾けてこの車種を開発したが、この高級車が不運だったのは、米国の環境保護庁の認可が下りて市場に出回るまでに、製造完成から3年もの時間がかかったことだ。そして、ようやく市場に出回ったものの、一年に3度もの火事に見舞われてしまった。
2012年の年初、米国のエネルギー省は、これまで政府から5.29億ドルの融資を受けたにもかかわらず、目標の売上高に達していないフィスカーに対し、貸付の大部分を凍結した。それによってフィスカーは資金繰りを絶たれ、自分で戦略的投資パートナーを探さざるを得なくなった。