■将来、中国自動車メーカーから世界的自動車メーカーが誕生
プジョーと東風汽車との資本提携の締結が終わらないうちから、自動車メーカーが相次いで海を越えて海外メーカーとますます多くの商談を行っている。この背景には、中国自動車メーカーが海外進出し、世界的メーカーになる野心を抱いていることがある。
特に東風汽車の海外戦略は近年最も際立っている。昨年から今年にかけて、東風はスウェーデンのエンジニアリング会社のTエンジニアリングを買収したほか、ドイツの変速機メーカーであるゲトラグと合弁会社を設立することで合意。商用車事業を展開している東風とボルボ・グループの合弁会社・東沃汽車の力を借りて先進国市場での拠点を広げる戦略だ。
一連のさまざまなM&Aの背景について、東風の朱福寿総経理は、「東風は世界的な資源をもとに、トップクラスの新しい自主開発・イノベーション能力を育成し、自主的な発展と国際化の目標を実現しようとしている」と語った。
海外の財政破綻した自動車メーカーを買収することによって、迅速な国際化の実現や、すでに知名度があるブランド力を借りることができる。中国企業が次々と巨額な資金で財政破綻したメーカーを買収したとしても何ら不思議ではない。
世界的会計事務所のプライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)が毎年行っている世界の自動車業界の潜在的買収側と潜在的売却側の調査によると、2014年の自動車業界の買収活動は2013年よりも増加し、将来的にはこの傾向が加速すると予測している。