中国証監会、IPO需給バランスを重視
中国証券監督管理委員会(証監会)主席の肖鋼氏はこのほど勉強会を開き、香港証券取引所行政総裁の李小加氏を香港市場制度の紹介のため招き、改革問題について議論した。肖氏は「新規株式公開(IPO)の市場需給バランス問題、株式発行登録制への転換の問題などについて議論を掘り下げる必要がある」と表明した。4日付中国証券報が伝えた。
◆IPO需給バランスに注目
李氏は香港市場の状況の他に、IPO関連の市場構造変化と登録制の実施について議論した。李氏は、「IPOそのものには特殊性がなく、需給バランスは市場バランスを基礎とする。需給の不均衡は、すべての不均衡の根源だ。悪性循環を断ち切れば、短期的な痛みがもたらされる。米国や香港市場と比べ、中国大陸部では個人投資家が多く、機関投資家の占める比率が低く、証券の時価総額が国民総生産(GDP)に占める比率が低い。また銀行・保険事業との差が大きく、監督管理者は価格を管理し、構造をコントロールし、パイを切り分けるという苦境から抜け出せない。登録制は市場を市場に戻し、市場の正常な需給関係により市場の駆け引きと利益の分配を左右させる。これはIPOの環境を変え、市場の再生と台頭を促す重要な手段だ。登録制は既存の市場規則と利益構造に衝撃をもたらすが、この痛みは回避できず、低く見積もることもできない」と指摘した。
肖氏は李氏の上述した発言について、「登録制は国と地域によっては完全に一致しないが、その一部の観点は研究を進める価値がある。例えばIPO市場の需給バランス問題、株式発行の登録制への転換などだ」と語った。
今回の勉強会の他に、証監会はその他の国と地域の登録制の経験を学習し、理解を深めていく。