長江の貨物輸送量は内陸河川としてはすでに世界一だが、まだ大きな可能性がある。低コスト、低エネルギー消費量という水運のメリットをさらに重視・発揮し、航路の浚渫・整備を強化、航行基準を向上するとともに、船型標準化を普及させ、長江の輸送能力を強化する。長江沿いの重要港を中枢とし、水運、鉄道、道路、航空、石油・天然ガスパイプラインの輸送システム建設を統一的に推進し、ネットワーク化、標準化、スマート化の総合的で立体的な交通回廊をつくり、長江という大動脈をより効果的に幅広く発展させる。
長江経済帯の建設は改革開放を深化させ、行政区画の障壁を取り除き、全流域で統一的開放、秩序ある競争が行われる近代市場システムを建設する重要な取り組みでもある。地域間の健全な相互協力メカニズムを構築し、長江流域の通関手続きの効率化を図るには、資源配分における市場の決定的な役割を発揮しなければならない。モノの双方向開放戦略を実施し、ユーラシア大陸を結ぶシルクロード経済帯を拠り所に、沿海、長江一帯、辺境一帯の全面的開放の新たな仕組みを構築する。長江経済帯の建設を安定成長、改革促進、構造調整、人々の生活向上にしっかり結びつけるには、各取り組みを目下の利益、長期的利益につなげ、発展の粘り強さとリスクに対応する能力を増強し、雇用創出を促し、経済社会の健全な持続的発展に新たな原動力を加える必要がある。