1999年に打ち出した西部大開発戦略には数兆元を投入。同戦略は東部と西部の落差を確実に縮めたが、「西進」効果は多くの評論家を失望させた。西部地域のGDPはなお中国全土のわずか5分の1。経済協力開発機構(OECD)が昨年行った調査によると、西部大開発戦略は地域の不均衡の縮小につながったかもしれないが、中国の不均衡はなお多くのOECD加盟国よりも際立っている。
投資の増加で西部のGDP成長率は昨年10.7%と他の地域(東部9.1%)を上回ったが、「社会的緊張の激化が新たな投資の流入を妨げる。外部需要の転換も西部の新計画のリスクを高める」と評論家は警告する。
西安及び西部の多くの中心都市には既にサムスンやシーメンスなど多くの外資が進出している。ケンタッキーフライドチキン、ウェスティンホテル、MAAN COFFEEなどの国際的なロゴマークが目に付く建物が著名な大雁塔の目と鼻の先にある。大雁塔は唐の時代に玄奘法師がシルクロードを通ってインドから持ち帰った仏教の経典と仏像を奉納するために建立された。その数キロ先で年に一度開かれる展覧会には昔より多くの外国人がパキスタン、イラン、ケニア、ロシアなどから訪れ、カーペットや木製の椅子、宝石などを中国人に売り込む。