中国社会科学院金融研究所の研究によると、中国のシャドーバンキングの総規模は20兆5千億元に達し、GDPの約40%に及ぶ。業界関係者によると、シャドーバンキングはシステム内とシステム外の2種類に分けられる。システム内のシャドーバンキングは主に、信託銀行や商業銀行のうち、信用仲介に属するバランスシート外の業務を指す。そのうち商業銀行のシャドーバンキング業務には、委託貸付や未割引銀行引受手形、一部の財テク業務などがある。システム外のシャドーバンキングは主に、インターネット金融会社や第三者財テク機構、小額貸付会社、融資担保会社などを指す。研究によると、中国のシャドーバンキングの増大は主に、2006年に開始したシステム内シャドーバンキング業務の爆発的増加を発端としている。4兆元の財政出動や各種の金融新業態も、シャドーバンキング膨張の加速を推進した。
「中国金融政策報告(2014)」のデータによると、システム内シャドーバンキングの規模は15兆元を超える。システム外シャドーバンキングの統計は困難だが、その規模は、システム内シャドーバンキングよりは明らかに小さい。
「商業銀行に対する監督管理は主にバランスシートに基づく。そのため銀行・信託会社の協力による資産運用から銀行による財テク、銀行間融資まで、貸付資源をバランスシート内からバランスシート外に移しさえすれば、関連規制を回避できる。これが中国のシャドーバンキングが発展してきた主な道筋だ」。中国社会科学院世界経済・政治研究所国際投資室の張明室長はこのほど、人民日報に掲載された署名入り記事で、シャドーバンキング発展の道を描いてみせた。中国のシャドーバンキングの発展は、規制の間隙を突こうとする商業銀行の「規制のアービトラージ」を動因とする。さらに深い原因としては、銀行を中心とした従来型の融資ルートが実体経済発展の需要を満たすことができないことが考えられる。