過去10年、中国の国民金融資産は急激に増加し、2014年の個人の預金残高は46兆9900億元に達した。また個人の投資可能資産(住居用建物を除く)は13年に92兆元規模に達したと見られている。
中国における個人の資産構成は、不動産が60%超で、金融資産は30%以下。先進国と比較すると大きな差があり、金融資産、とりわけ株式の比率が高まる余地はかなりある。
個人資産の中で不動産と銀行預金の割合を減らし、株式の割合を引き上げて、実体経済の成長を支援することは、一方で、企業の自己資金不足を補い、他方で、個人が企業からのリターンを得ることになる。
株式市場に個人の資産を呼び込むために、以下の株式・資本市場の振興策を提言する。
第1、上場銘柄の業種について、最終消費・サービス、情報技術の比率を増やし、産業のレベルアップを図る。
第2、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ、多層的資本市場を発展させるとともに、上場及び上場廃止制度を 改善し、上場企業の質を高める。