ソニーは東京にある旧本社ビルと周辺の施設を売却し、これによって同期には一時的な収益として150億円の営業利益を獲得した。
業界ウォッチャーは、「平井一夫氏が率いるソニーは勢いの回復を目指しているが、転換の歩みが遅すぎる。ソニーに残された時間は多くない。ソニーというかつては世界トップで、故スティーブ・ジョブズ氏が『神扱い』した消費電子産業大手は、製品ラインは幅広いが、ほとんどの製品が危機に直面している。ソニーが命運をかけるスマートフォン(多機能携帯電話)事業は、アップルとサムスンという二大巨頭が独占するハイエンド市場に立ち向かうことは難しく、ミドルエンド・ローエンド市場でも華為や聯想といった中国メーカーからの打撃に直面している」と話す。
まもなく訪れる第3四半期(7-9月)の携帯電話新製品ラッシュの時期を控えて、ソニーはスマートフォンの販売台数を当初予想の5千万台から4300万台に下方修正し、通年のスマートフォンの売上は最も好調だった場合でも収支がとんとんになるだけとの見方を示した。ソニーは劣勢を挽回しようとしているが、道のりはまだまだ遠いといえる。