世界中で合理的なビジネスをするトヨタ
販売台数の差が、純利益に差が出た主な原因かもしれない。しかし、原因はそれだけではない。例えば、トヨタの「グローバル化」の程度はVWに勝っている。トヨタが世界各地に合理的な進出をしているのに対し、VWは中国市場に過度に依存している。
また、1台当たりの収益力もトヨタが勝っている。米国自動車研究センター の調査結果によると、13年、自動車メーカーのうち、1台当たりの収益力が最も高かったのがトヨタだった。統計によると、トヨタの1台当たりの利益は1588ユーロ(約21万7000円)。一方のVWは616ユーロ(約8万4000円)だった。また、VW傘下のアウディやポルシェの収益力も低い。
そのほか、VWのブランド管理もトヨタに劣る。VWは、傘下に12のブランドを抱えているが、その全ての販売台数を合わせても、トヨタの販売台に及ばない。また、VW傘下の各ブランドの車種が互いを補い合っているというわけではなく、競争も存在している。それが、VWがトヨタに及ばない理由かもしれない。