安倍首相は今後、「一時的なもの」というような虚言を何度も繰り返さなければならなくなるかもしれない。安倍首相はこれからも、新たな増税に直面することになっている。2015年10月に消費税引き上げを計画通り行えば、安倍首相の支持率はさらに下落するだろう。だがもしもGDP成長がうまくいかず増税を取りやめれば、国債の金利が高まり、日本の債務返済能力が低下し、日本に対する投資者の信頼が失われることとなる。
もちろんすべての罪を増税に着せるのはフェアではない。そのほかにもまだ、解決の必要な成長の制約要素がある。一つの根本的な問題は、庶民が「アベノミクス」の恩恵をまだ受けていないということだ。日本政府が最近、従業員の収入を上げるようと企業に対して異例の要請を行ったのも、それを証明している。安倍首相も、労働者の収入が増加しなければ、GDPの60%を占める国内消費が増加するわけはないということに気付いている。
安倍首相の放った矢はことごとく、庶民の利益を損なうものとなっている。円安や量的質的金融緩和で最大の利益を得ているのは企業である。企業のこの利益が自分に回ってくるのを待っている庶民に、安倍首相は増税措置を取った。増税されれば、商品の値段は上がる。少しばかり上がった給料はこれで、また取り上げられてしまう。