これに加えて米国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐって日本にたびたび譲歩を迫り、日本は自国の利益を損なう譲歩をしようとはせず、TPP交渉は硬直状態に陥り、今は可能性と希望を見いだすことができない。これと対照的に、中韓のFTA交渉は順調に進展している。習主席はこのほど韓国を訪問し、両国首脳は年内の二国間FTA交渉の妥結に向けて努力することを約束した。中韓両国がFTAを締結すれば、中国とロシアの貿易も加速的に増加し、かくて日本は北東アジア地域で片隅に追いやられることになる。こうした状況の中、日本には中韓両国とともに歩むか、孤立状態を自ら選択するか、この2つの選択肢しかない。後者を選ぶのが賢明でないことは明らかだ。
東アジア16カ国の地域レベルの自由貿易プランも2015年末までに完成する見込で、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)との自由貿易圏の建設もますます深化するとみられる。日本はまもなく構築される中韓自由貿易圏、中国とASEANの自由貿易圏、構築される予定の東アジア16カ国の地域レベル自由貿易プランのすき間を縫わなければならない。また東アジア地域のより緊密な経済協力は、地域発展の一つの大きな流れだ。いかなる国もこうした歴史の発展情勢に対抗しようとすれば、孤立し片隅に追いやられる危険性があり、最終的には国と民族の発展・利益を損なうことになる。