米ジェームスタウン財団の機関誌「チャイナ・ブリーフ」は、「スエズに立脚しイスラエルに目を向ける中国のシルクロード戦略」というタイトルの文章を最新誌で掲載し、中東・北アフリカ地域を跨る港湾交通要衝を含めるハブ港のつながり強化及びユーラシア大陸鉄道網の整備強化という、シルクロードに対する北京側の説明は、ある種の中国戦略に対する人々の探究心を呼び起こすと綴っている。
シルクロード戦略の総目標は新しい市場を開拓すると同時に、中国の国営企業に大規模インフラ整備プロジェクトを探し求め、海外市場への輸出ルートを整備することだ。中国製品の海運に頼って世界市場に運ばれる傾向が日々強まる中で、北京側は違う交通回廊を造ることによってあらゆる単一路線への頼り過ぎを減し、水上輸送の中断によるリスク低減を全力的に図ろうとしている。
中国商業海運の確実な入口を確保するために、北京は両輪で進む同時進行の戦術を取っている。スエズ回廊の利益を拡大し続ける一方、イスラエル経由の陸上交通も積極的に推進する。海上優先戦略として中国航運株式会社はスエズ運河回廊の港湾に投資したが、次なる目当ては「紅海―地中海」という鉄道工事だ。当該鉄道は、運河を避け、アカバ湾に位置するイスラエルのエイラトから地中海のテルアビブまで続く。それによって、中東・北アフリカ地域における2大シルクロードの合流という北京側の長期目標が実現できる。