今、中国の商品はスエズ運河経由で最大輸出市場のヨーロッパに運ばれているが、このような依存は中国経済の持続的成長に脅威をもたらしている。アラブの春、エジプトの強権統治者であるムバラク政権が崩壊した際に、このような過度に頼る経済・安全保障リスクが表面上に浮び、当時中国の貨物船は運河で長らくとどまった。その後のモルシ大統領解任劇で水路安全保障のリスクは一層危うくなっている。
そこで、中国は新たな道を開拓しようとした。イスラエル経由の「紅海―地中海」鉄道は、運河への過度な依存から脱出し、紅海から地中海、さらにヨーロッパまで続く中国商業貿易にとっての確実な通路を確保するという北京側の努力を象徴している。当該鉄道はさらに、イスラエル向け輸出市場開拓という中国人の壮大な目標の強力な後援でもある。なぜなら、それによって中国のコンテナがイスラエル内陸まで運ばれるようになるからだ。ただ、地域情勢の不安定要因で、中国がとった、このような陸上戦略はリスクも伴っている。いずれにせよ、北京側はイスラエルでの探求を続けている。
2011年以後、スエズ運河における中国の利益は度々脅かされていた。その後、北京側は意気込みに溢れた「紅海―地中海」という鉄道プロジェクトへの関心が日々強まりつつある。アメリカにある非営利団体「イスラエル計画」中国プロジェクトのコーディネーターは、「この鉄道は戦略的意味を持っている」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年10月14日