斎藤教授によると、中国はさらに、先進国の企業の買収や株式参入を通じて、外国の進んだ技術や管理人才を獲得し、国外の進んだ管理方法を学習・導入し、中国企業と外国企業との差を縮小し、国際市場における中国企業のブランドイメージなど非価格競争力を高めることができる。例えば、中国の聯想(Lenovo)グループは美国IBMのコンピューター部門の買収後、技術と管理の水準をさらに高め、世界最大のコンピューター端末メーカーとなり、巨大な経済効果を上げた。中国吉利汽車グループは、世界的に有名な自動車メーカーであるボルボ社の乗用車部門を買収し、国際的な知名度を大きく高め、ボルボ社の乗用車生産技術や管理経験、ブランドの獲得に成功した。
対外直接投資においては当然、リスクの防止が重要であり、各国で異なる政治制度や経済発展段階、投資事業の発展見込みなどに応じた厳格なリスク評価を行う必要がある。紛争リスクの存在する一部の国についてはとりわけ厳格な管理・制御が不可欠だ。
また京都総合経済研究所の小堀潔研究員は、発表した文章の中で、現在の中国の対外投資は、エネルギー資源や金融、不動産などに重点を置くもので、製造業への投資はあまり広まっておらず、今後は製造業への直接投資も増やすべきだと指摘している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年10月16日