日本の多くの有名な企業が自社の戦略を見直しつつある。消費セクターから撤退し、川上のハイテク材料やハイテク部品、または工業分野に回帰している。オリンパスの現在の主な収益源は医療分野であり、富士写真もフィルムから医療・工業材料分野へ転換。日立は家電部門から撤退し、通信・電力・大型機械分野に経営資源を集中させた。決算書で見るとこれらの企業の事業転換は大きなで成果を上げている。
さらに日本の企業はソニーや松下などの有名企業だけではない。日本企業で真に強いのは、その業界の『隠れたトップ企業』である。Iphone6を再び例にとれば、レンズ部品のソニーのほかにも、超小型MLCC(積層セラミックコンデンサ)の村田製作所、Webカメラモジュールの三美電機やアルプス電気、電池のソニー・TDK、放熱板のKANETA――などだ。日経新聞の調べによると、Iphone6やIphone6プラスで用いられている1300の電子部品のうち、過半数の700が日本製で占められている。
スマホから飛行機まで、日本の『隠れたトップ企業』は到るところにある。ユニクロに服装材料を納める東レは、ボーイング社に炭素繊維の複合材料を供給。ボーイング787型機の製造には、三菱重工、富士重工、川崎重工など60以上の日本企業が参加した。その機体のうち、35%が日本製、35%がボーイング製、残りの部分がその他の国の製品。同機が『準日本製』と呼ばれるのも当然だ。