10月末の世界の金融情勢は、米FRBが6年にわたるQE政策を終了させる一方で、日本が金融緩和策の拡大を発表し、欧州中央銀行は政策金利の維持を決定した。これを受けて、日本円とユーロの為替レートは米ドルに対してそろって下落。円は7年ぶり、ユーロは26ヶ月ぶりの安値を更新した。円とユーロ安はその通貨を保有する貿易企業にとって大きな痛手。
しかしその一方で、日本や欧州に買い物に出かける人にとっては大きなメリットをもたらしている。中国の若い2人の女性の間でも明暗がはっきり分かれた。
▽日本円を所有の呉さん▽
まずは手元に数万元分の日本円を持っている呉さん。少し前に日本に住んでいる親戚から「円安が安くなりそうなので早くドルが人民元に変えたほうがいい」と言われていた。当時のレートは100円が6元ちょっと。しかし彼女はあまり考えずにそのままにしていた。しかし7月になると円は下げ足を速め、10月には5.6元まで下落。先週には米のQE終了に日本の金融緩和策の拡大が重なり円は一段と値下がりした。彼女の手持ちの円はこの間、数千元の価値を失ってしまったことになり、「しばらくは様子を見るしかない」と残念な様子だ。