石油輸出国機構(OPEC)は原油の生産量維持を決定した。サウジアラビアを中心とする湾岸石油産出国は、原油価格低下に対応するため減産せよというOPECの貧困国の呼びかけを無視し、1日3000万バレルで生産量を維持した。これにより原油価格がさらに低下する可能性がある。
サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相はOPECウィーン総会の閉幕後、「OPECは1日3000万バレルの生産量を維持する」と述べた。OPECがこの決定を発表すると、原油価格が下落した。ブレント原油は1バレル75ドルを下回り、一時1バレル73.80ドルまで低下した。これは2010年8月ぶりの低水準だ。原油価格は今年に入ってから、すでに33.5%下落している。
米国は過去30数年間で最速のペースで原油を生産している。中東とウクライナの危機は原油の供給に影響しておらず、世界経済の減速により需要が減少していることもあり、原油価格は今年に入ってから低下傾向を維持している。
ウィーンで開かれたOPECの総会は、数十年の歴史で最も重要な会議かもしれない。国際基準のブレント原油価格は今年6月のピークから30%下落した。世界の石油供給量の4割を占めるOPECは総会で生産量維持を決定した。これは原油価格が今後もさらに低下を続ける可能性を意味している。
クウェートの石油相は、「OPECの生産目標に関する最新の決定に満足している」と表明した。
ナイジェリアの石油相は、「OPECとそれ以外の地域は、石油市場の負担を分担しなければならない。OPECは石油市場で、強硬な態度をとらなかった。ウィーン総会の決定は、現状としては最高の選択肢だ」と発言した。
ロシア財務相は、「OPECのこの数日間の態度には揺らぎも見える。原油価格が今後数年に渡り1バレル80ドルを維持することをやや楽観できる。ロシアはこれに応じた予算案を制定し、やや低い原油価格の長期化に備えなければならない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月28日