金融緩和しかできないアベノミクスを果たして政策と呼べるのだろうか。実際アベノミクスの効果は一時的で、日本経済は第2四半期・第3四半期と連続してマイナスに転じた。その安倍は消費税の再引き上げを延期し、衆議院を解散することで、国民の信を問うという。
日銀は80兆円の金融緩和によって、円を1ドル119円台という7年ぶりの安値にまで下落させた。今の政府は量的緩和と円安以外の政策をとることができない。かつて安倍はアベノミクスと称して、金融緩和、財政出動、構造改革を挙げた。
しかし国債発行残高がGDPの2.4倍を超え、先進国で最も高い比率となっている日本での財政出動ができないことは子供でもわかる。安倍は2020年に財政を均衡させるとして消費税を5%から8%に引き上げた。しかしそこに待っていたのは、景気の急降下とムーディーズよる日本国債の格付けの引き下げだった。
格付けの引き下げは、国債の継続的な発行がもはや困難になったことを意味し、財政による景気刺激策は一段と不可能になった。構造改革も口でいうほど簡単でない。何から手をつけようとも、短期的な効果はマイナス。残されたのは金融緩和しかない――というのが現状だ。