人口ボーナスがなくなる中、今後の労働力不足は中長期に及ぶと見られ、製造業の自動化ラインの高度化大きなトレンドになっている。現在策定中の第13次5カ年計画(2016―2020年)でも、「製造大国」から「製造強国」へ転換するための政策立案が予想されている。先の工信部の供氏は「ロボット産業は中国経済の構造転換とグレードアップという、国の競争力に関わる重大な意味をもつ産業である。今後数十年、経済成長モデルは大きな変化が予想される。積極投資をしなければ新しいチャンスを失うことになる」との見方を示した。
▼やみくもな投資には警鐘▼
しかしその一方でこのロボットブームを冷静に考える必要もある。中国のロボット製品の付加価値が低いという点である。2013年の中国での販売台数は3万7000台に達したが、そのうち国産は9500台に過ぎない。ロボット産業自体の規模は大きくなく、技術レベルも中低位である。基幹技術は輸入に頼っており、リーダー的な大企業も見当たらない。中国のロボット産業はまだ立ち上がったばかりで、自身の手で研究開発や製造、販売、サービスなどの産業体系を打ち立てているわけではない。