さらに自動車保有量は経済発展モデルとも関係がある。米国が車社会になっているのは、自宅と職場を車で通えるからであり、郊外に行けば行くほど住宅の価格は安く面積も広い。しかし部屋の面積が広ければ、その分冷暖房のコストもかかる。米国がその他の先進国と比べて一人当たりのエネルギー消費量が多いのはそのためだ。
その反対に、シンガポールや香港では、合理的な自動車保有台数を保つことがそれほど難しくない。自動車産業がなく、土地も限られているからだ。しかし中国は土地も広く、自動車産業も膨大だ。
こうした状況下で、中国政府が「車社会」の芽を摘むことは可能であろうか。そう簡単ではないだろう。多くの消費者は自動車を欲しがり、自動車産業は製品やサービスを提供するだけでなく、その企業の利益や地方財政に重要な財源になっているためだ。これは極めて難しい問題である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年1月20日