人民元対米ドル為替レートが26日に大暴落に見舞われた。先行きの元安相場が予想される中で、A株市場も大幅ら下落を見せた。市場関係者では、これを機に元安トレンドが形成され、株式市場などに影響を及ぼすと見て、懸念する声が高まっている。
人民元対米ドルレートの下落は米国の通貨政策と大きく関わっている。米経済学者、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は、最近のドル高相場は他の国々の圧力となり、他国の通貨安現象につながったと見解を示し、「短期間では米ドルは一層上昇するだろう」と予測している。
元安の是非については賛否両論だ。A株市場が元安の影響で株式市場の強気相場が終結し、株式投資で損を出すばかりの状況になるのではと懸念する声がある。
人民元対米ドルレートの大暴落から一夜明けた次の日、A株市場では、元安予想が先行して銀行・不動産・石炭・石油といった優良株が全面安の展開となり、株価指数もそれにより大幅に下落し、上海総合株価指数は一時3300ポイントを割り込んだ。市場関係者は、このまま元安が続くと、A株市場は一層下がるだろうと見ている。
「元安の長引きは投資資金の株式市場からの大量流出につながり、相場を押し下げる恐れがある」と中国人民大学国家発展と戦略研究院の劉元春執行院長が指摘する。