世界チップメーカーの巨頭、米クアルコムは10日、中国の独占禁止法に違反したことで、中国国家発展改革委員会(発改委)から60億8800万元(約1150億円)の罰金を科され、これは中国独禁法施行以来の最高制裁金となった。
業界筋は、クアルコムに対する今回の独禁法関連調査は、中国の独占禁止違反撲滅運動にとっても、関連業界の健全な発展にとっても節目となる大事件だと指摘。さて、今回の独禁法関連調査にはどんな特徴があって、携帯電話業界にどんな影響を与え、どんなメッセージを発信することになるのか。
発改委がクアルコムに対して調査を開始した2013年11月から、制裁金が正式に発表された2月10日まで15カ月が経った。ともすれば数年間もかかる欧米諸国の独占禁止調査と比べ、クアルコムに対する中国当局の調査は疾風迅雷ぶりを見せた。
携帯電話向け大手チップメーカーとして、クアルコムは調査結果を受け入れ、異議を唱えることもしなかった。クアルコムは中国独禁法史上最高罰金額の60億8800万元を支払うほか、中国企業の同社にに支払う特許料を引き下げることに合意した。また、これまでのクアルコムによる関連中国企業の特許の無償利用の強要も取りやめられた。
これについて、携帯電話中国連盟の王艶輝秘書長は、「クアルコムによる中国企業特許の無償利用の強要が取りやめとなったことは、国内携帯メーカーの特許の価値が上昇した。なぜなら、特許を持っていない企業にとっては、特許権を購入するために予定外の費用を支払わなくてはならないからだ。特許を持っているメーカーには明らかに朗報だが、しかし現在特許の持っていないメーカーにはより多くのプレッシャーになる」と指摘した。