▽日本人専門家:両国の製造技術に大差はない
日本の炊飯器専門家・宮口淳一氏はこの道40年のベテランで、東芝などで開発に従事していた経験を持つ。宮口氏は「中日両国の炊飯器の製造技術に大きな差はなく、中国の炊飯器が採用している内釜の素材やコーティング技術が日本に比べて劣るわけではない。ただし、これは美味しいご飯を炊くための最も重要な技術ではない。全体的にむらなく加熱することこそが、各メーカーの目標だ。むらなく加熱された米はよりふっくらと甘くなるため、メーカー側もこの技術の宣伝に重点を置いている。つまり、内釜よりも加熱方式の方が重要」と語る。
宮口氏によると、普通の炊飯器は底部にあるヒーターで加熱するため、むらが生じやすい。IH(電磁誘導加熱)方式なら、立体的でむらのない加熱ができるほか、異なる調理方法に応じて火加減を正確に制御することができる。「IH技術の面で、中国は日本よりスタートが遅れたが、中国の技術の発展は速く、現在は日本のIH技術と制御面で大きな違いは無く、基本的には同じ水準にある」と宮口氏。
このほか、中国企業の一部のIH技術は、日本と韓国で特許を申請しているが、これらの技術を採用した炊飯器は中国では1千元(約1万9千円)以内で購入できる。宮口氏は「中国製品は技術面で遅れているわけではない。ただ、日本人は研究に時間と精力を注ぎ、より高価で精巧な炊飯器を製造している。内釜が手作りのものや、19万円以上もする製品もある。中国メーカーにはこうした製品はない」と語る。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年3月2日