▽不動産購入の理由がますます多様化
中国人が海外の不動産購入に熱中する理由はさまざまだ。中原地産の張大偉チーフアナリストは、「国内の不動産価格の高騰や経済の鈍化、海外の経済が全体として回復傾向にあり、不動産の投資価値が高まっていることなどから、多くの人が国内の不動産を売り払って海外投資に転じている」と分析する。
国内の不動産市場は購入が制限され、市場の見通しが明るくないが、海外不動産市場は利便性がより高く、値上がりが保障されている。永久の権利という考え方をする多くの国では、頭金は10~30%で済み、貸出はスピーディで便利だ。オーストラリアや英国などの先進国の中心繁華街では、年間の賃貸による収益が担保にかかる費用を基本的に上回る。
投資だけでなく、一部の人は購入した物件に自ら居住する。海外の不動産価格は適切で、環境はよく、海外の不動産を購入した一部の所有者は、短期的な旅行で滞在する期間を除き、残りの期間は専門の業者に託して賃貸に出すという。
不動産購入移民が中国人を海外不動産投資へと駆り立てる大きな原因の一つだ。ポルトガル、スペイン、ギリシャ、キプロスなどの欧州諸国は欧州債務危機の影響から脱却し、「不動産投資による移民政策」を相次いでうち出した。「2014年ビザコンサルティング・フージワーフの中国投資移民白書」によると、中国の富裕層が投資移民する際には海外の不動産プロジェクトに関連してのことが多く、これが富裕層の海外投資プロジェクトで最大の割合を占め、40%を超える。ロサンゼルス、サンフランシスコ、バンクーバーは富裕層に最も人気の海外不動産都市で、富裕層の40%近くが独立型の別荘を選択し、半分近くが文教エリアにある物件を選択する。