レンジフードの画面をタッチし、食材を鍋に入れると、あとはスマートキッチンが、火加減から調理時間までのすべてを自動でコントロール。こちらの音声に従い、味付けもお好みのままに仕上げてくれる――このほど上海で開かれた「2015中国家電博覧会」で披露された『スマートキッチン』が話題となっている。インターネットと他の産業を結び付ける「インターネットプラス(+)」という新しい概念が誕生しているように、従来型の家電産業とインターネット企業との融合が進行中だ。今回の博覧会の目玉はスマートキッチンと健康関連の家電製品。こうしたスマート家電の開発を手掛ける企業は株式市場からも熱い視線を浴びている。
スマート家電の開発に力を入れているのは家電産業だけではない。今回の博覧会に初めて参加した国内最大のインターネットセキュリティサービス会社の「360」も新商品を展示している。同社の沈海寅副会長は「スマート家電という新しい時代の波に乗らなければ、事業経営はいずれ大きな壁にぶつかるだろう」と、スマート家電に参入する理由を説明した。また今回の博覧会の特徴は、「未来@スマートハウス」という新しいテーマを打ち出した点。関連するブースでは、チップ、センサー、集積回路などを手がける川上産業から、モバイルインターネット、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどに携わる川下産業まで一堂に顔を揃えた。中国家電協会の徐東生事務局長は「参加企業が従来の家電メーカーから、ネット通販やスマートハウス、インターネット企業に広がってきている」という。
一方健康関連では、2014年の「第1回中国環境・健康家電サミット」で、2020年までに中国の環境・健康家電の市場が1500億元まで成長するとの予測が示されている。都市の煙霧問題が解決しない状況下、消費者の飲料水や健康に対する意識は高まる一方。空気清浄機や浄水器などの健康関連市場が急拡大することが見込まれており、各メーカーが製品開発を急いでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月21日