総合的にみて、AIIBはグローバル経済全体の論理構造における中国のポイントの一つに過ぎない。中国にはグローバルな貿易取引が必要であり、1ベルト・1ロード(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)の迅速さ、安定、繁栄が必要だ。このため中国は関連国のインフラ建設への投資を拡大する必要があり、こうしたインフラ建設は中国に輸出をもたらし、関連の金融機関に対する需要を喚起し、関連の金融機関の設立は将来の人民元によるグローバル決済、資金調達、備蓄、貿易に完成したシステムとプラットフォームを提供することになった。AIIBの設立は米国主導の国際通貨基金(IMF)や世界銀行などの機関の改革を促し、とりわけIMFの出資比率の改革が行われる中、人民元の占めるシェアは拡大されるべきであり、別の側面から国際通貨システムにおける人民元の影響力を高めるべきだ。
だが強調しなければならないのは、通貨、貿易、経済などは、それぞれに孤立しているわけではないということだ。AIIBの「因果応報」や各方面が展開するゲームの中から、中国が影響力と主導権を獲得したいと考える最も基本的な前提は、中国の資本、中国の製造・輸送能力、中国の技術がより向上するかどうかということ、引き続き多くの国に認められたいということにある。こうした過程が非常に長いものになることは確実だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月26日