富達基金が12億米ドルのQFII(適格国外機関投資家)投資枠を獲得したことは積極的なシグナルだろうか、QFIIの大量の資金がA株市場に流入する可能性はあるだろうか、と質問されたことがある。仮にこれらの資金が流入した場合、国外機関投資家の操作方法と投資品種の多元化が、A株に衝撃をもたらすことはあるだろうか?私は2つの面からこの問題を捉えられると考えている。まず、市場全体の構造から見ると、金利市場化、人民元国際化を含む為替レート改革は、A株市場への進出という重要な戦略的チャンスを国外機関投資家にもたらす。これらの機関投資家の進出は、株価上昇と新規流入資金増加における大きな原動力となる。次に、機関投資家は往々にして長期的な価値とファンダメンタルズの研究と判断を重視する。国外機関投資家の増加は、実質的にA株市場の投資の理性を強めることになる。ゆえに当社は、今後3―5年の世界資本市場における最大の戦略的チャンスは、中国に訪れると判断している。これにはA株、債券、人民元建ての為替関連商品などが含まれる。
株式市場については、当社は2015年に、2つの角度、4つの方向からチャンスを探っていく。周期的な角度から、当社は今後12カ月に渡り固定資産投資のけん引により収益が増加の周期に入る銘柄への注目を強め続ける。この戦略的な時期は、今年下半期のやや遅い時期に訪れる可能性がある。また改革の深化、モデルチェンジ・グレードアップの角度から、当社は3つの方向に注目している。まずはインターネットと金融の革新・モデルチェンジから利益を得る企業、次に余剰生産能力を抱える伝統的な業界における合併再編がもたらすチャンス、それからインターネットがもたらす新たなチャンスだ。
「中国証券報」より2015年3月28日