中国国内の投資家は2014年、世界156の国と地域の6128社の海外企業に直接投資を行った。中国の2014年の対外直接投資(金融分野を除く)は、前年比14.1%増の1028億9000万ドルに達した。中国の大規模な対外M&Aは多元化の様相を呈しており、対外投資の産業構造の改善が続いている。そのうち先進国に対する投資額の伸び率が高く、2014年の対米投資額は23.9%増、対EU投資額は1.7倍増となった。欧米などの成熟した経済体に目を向ける中国企業が増えている。人民日報が伝えた。
中国の対外投資の主な対象は原材料、自然資源、エネルギーなどだった。しかし銅、鉄、アルミ、石油製品などの関連業界の生産能力の余剰が際立ち、国内経済のモデルチェンジ・アップグレードという背景もあり、資源業界の海外進出の勢いが弱まっている。中国企業の鉱産物などの資源の対外投資額は2014年に4.1%減となり、投資全体に占める比率は18.8%のみとなった。
欧州債務危機により、欧州金融機関の貸付能力が大幅に低下した。多くの企業が経営難に陥り、合併の意欲が高まった。これは買い手市場の形成を促した。例えば英国の最も伝統ある百貨店グループのハウス・オブ・フレーザーなど、広大な市場ネットワークと影響力を持つ有名企業や、ドイツのコンクリートポンプ車大手のプツマイスターなど卓越した技術を持つ製造メーカーが、中国の投資家に手を差し伸べている。
経済回復が安定的に進み、シェールガス革命でエネルギー価格が低下し、なおかつトップクラスのハイテク産業を持つ米国は、中国企業にとって非常に魅力的だ。また米国の金融政策の正常化に伴い、米国市場の流動性が逼迫し、外部の資金に対する需要が旺盛になる可能性がある。米国も中国からの投資拡大に期待している。