アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー申請が締め切られた。4月1日午後12時までに参加を表明した国は50カ国を超えた。ポルトガル・アイスランド・イスラエル・ハンガリー・キルギス・ノルウェー・スウェーデンなども締め切り間際になって相次いで参加を表明した。北京青年報が伝えた。
創設メンバー募集という初戦が一段落し、AIIBの準備作業は「問題解決期」に入っている。
財政部の史燿斌・副部長によると、AIIBの準備作業のメカニズムとしては、各国の財政部が参加する交渉代表会議がルール交渉の主要ルートとなり、AIIB多国間臨時事務局が技術サポート機構となる。AIIBの提起国・ホスト国である中国は交渉代表会議の常任代表となり、会議開催を担当するメンバー国が会議の共同代表を務める。多国間臨時事務局は、専門的な視点からルール交渉に技術サポートを提供する。事務局長は金立群が務める。
AIIB設立にあたっては解決しなければならない問題はまだ多い。発展改革委員会対外経済研究所国際経済協力室の張建平室長は北京青年報の取材に対し、「今後はメンバー国会議を開き、AIIBのガバナンス構造を具体的に議論し、指導者の人選や投票権、出資比率などの問題を解決する必要がある」と指摘する。
解決すべき問題3:投票権のバランスをいかに取るか
世界銀行の運営モデルでは、最大株主の米国は世界銀行に対して拒否権を持っている。ブレトン・ウッズ協定によると、世界銀行のルールの変更には米議会の採択が必要となる。国際通貨基金(IMF)でも状況は同じである。
金立群はこれに対し、「『最大株主』の地位は特権ではなく、責任であり、負担である。国際社会で責任を負う大国として、中国は国際的に通用しているルールを守り、ボスを自認して偉ぶることなく、多国に平等に接し、問題はよく話し合い、できる限り一致による政策決定を求め、投票権による決定には頼らないようにする。参加国がこれからも増え続ければ、中国の出資比率はさらに下がることとなる」と指摘する。
中国が拒否権を持つかという問題について、史燿斌・副財政部長は、「AIIBは域内と域外でメンバーを分けており、メンバー国の増加に伴ってそれぞれのメンバーの出資率は下がっていく。中国が拒否権を求めるのか放棄するのかという命題は成り立たない」と主張する。
張建平室長によると、投票権がどのような形になるかは交渉過程にかかっており、中国としては権利の取得に努力することとなる。世界銀行などの既存の国際金融機関の運営モデルについては、「中国が筆頭となって設立するAIIBはこうした機構の成功経験を参考にできると同時に、こうした機構の効率の低下や官僚主義の深刻化といった問題を戒めとする必要もある」と指摘する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月7日