ピーターソン国際経済研究所の研究員は、「中国の米国債保有残高の減少は、外国為替市場への介入を減らし、多元的な外貨準備投資を維持する取り組みと一致しているようだ」と指摘した。同シンクタンクは、中国中央銀行が今年第1四半期に外国為替市場介入を減らし、為替レート市場化改革の推進に向けた決意を示したと分析した。
中国は多元的な外貨準備投資を推進してきた。中国政府は昨年12月、多元的な外貨準備投資を推進し、政策銀行などの金融機関の役割を発揮し、社会資本の参与を招き、債権や基金などの形式を採用し、海外進出する企業に長期的な外貨資金援助を提供するとした。「外貨準備の投資先の開拓」は、今年の中国政府活動報告の「海外進出戦略の実施の加速」の中に盛り込まれた。
同シンクタンクは、中国は外貨準備高におけるドル建て以外の資産を追加すると同時に、ドル建て資産の多元的な調整を行っていると分析した。そのうち米国の長期国債が占める比率は2010年より徐々に低下し、米ドル建て証券の比率が高まっている。