中国では、不動産購入者が子女の教育問題を考慮する場合が多く、学区付近のミドルクラスのマンションや別荘の購入を希望する人も多い。オーストラリアの不動産サイト大手「Domain」のアナリストの統計によると、オーストラリアで住宅を購入する中国人の40%近くは、学区に近いことを要求の一つとして明確に掲げている。
米ニューヨークの「舎楽不動産」の共同起業者の陳麗麗氏は次のように指摘する。「留学生家庭の不動産購入は増加の一途をたどっており、これまで減少した試しがないが、これは中国の富裕層の増加と関係している。中国人留学生の家庭の多くにとっては、海外での不動産購入の圧力はそれほど高くない。例えば米国では、学業を終えてから米国で仕事を続けることを決めた場合、留学生の保護者の多くが卒業間近の不動産購入を選んでいる」
陳氏によると、中国人の海外での不動産購入は、米国やオーストラリア、カナダなどこれまでも移民が多かった国に集中している。だが米国などの不動産市場が飽和してきたことから、投資目的の不動産業者が英国など欧州市場に転戦するケースも現れている。