李克強総理は今年の両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)で初めて「インターネット+」のコンセプトを打ち出し、インターネットやクラウドコンピューティング、ビッグデータ、「物聯網」(モノのインターネット)などの技術と製造業や金融業などの従来型産業との結合と発展の重要性を強調した。ここでは私個人のIT業界での実践と結びつけ、「インターネット+」をいかに理解するかについて語りたい。(文:郭為・神州数碼控股有限公司董事局主席)
私たち一人ひとりの事物に対する理解と見方には必ず強い主観が伴う。自身の生活する世界をいかにとらえるかは、自身の認識水準と情緒に大きくかかわっている。この問題を拡大して考えれば、世界に対する人類の認識も変化し続けていると言える。古代の「天円地方」(天は丸く地は四角い)という世界観から今日の多元的宇宙という世界観に至るまでには、幾度もの画期的な転換が重ねられてきた。
私たちはもともと、地球を宇宙の中心と考えていた。天動説から地動説への転換をコペルニクスらが推し進める過程では、生命を犠牲にしなければならなかった人もいたが、宇宙に対する人類の認識は大きく前進した。
16世紀になると、サー・アイザック・ニュートンが万有引力の法則を発見した。これもまた宇宙全体に対する人類の認識を大きく前進させた。物質の質量や速度、運動などの要素の間の関係についての一連の見方は、近代の自然科学理論の誕生と技術の進歩を大きく進める役割を果たした。人類社会の生産と生活の大量の活動には現在まで、万有引力を核心とする科学法則が応用され続けている。人類社会が今日までの発展は、ニュートンの偉大な発見と切り離すことはできない。