ニュートンの力学体系においては、光は、運動する存在とみなされていた。そのため科学界ではかつて、光の速度は変化するという考え方が主流だった。無数の実験の失敗を経てもなお、この「絶対速度」の変化を実証することはできなかった。この難題を解決する人物が現れるのは、200年余り後の20世紀初めになってからである。アルベルト・アインシュタイン博士は、光量子仮説とその後広く知られることになった相対性理論体系を打ち出し、宇宙に対する人類の認識には再び根本的な変化が起こった。基礎物理学のこの実質的な発展は、人類の原子エネルギーの発見と新エネルギー体系の利用を可能にした。
宇宙と万物に対する人類の認識に変化をもたらした最新の成果としては、スティーヴン・ホーキング博士のブラックホールと量子物理に関する研究が挙げられる。ホーキング博士の提唱する理論体系においては、光の速度と方向は変わり得るとされる。万物と自然に対する私たちの認識は再び大きく変化しつつある。
世界に対する人々の理解がこのように変化し続けてきたことは、私たちの理解に先天的な不完全性が存在することを示している。哲学でいうところの「世界認識に対する無限性」である。私たちはこれまでに認識したのは世界のほんの一部分にすぎない。
こうした世界認識の変化は「インターネット+」とどう関係しているか。新たな生産ツールの出現によって私たちは情報化時代に突入したが、この時代は私たちに何をもたらすことになるのだろうか。ニュートンからホーキングまでの道のりは、物理世界または原子世界の認識が変化する道のりだった。インターネットによって出現したのは仮想世界である。私たちは、現実と仮想とが交差するまったく新しい世界に突入しつつある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年5月8日