高級ブランド品の売れ行きが世界的に低迷する中、日本での販売が好調だ。買い手の主役は中国人観光客である。円安も手伝って日本を訪れる中国人観光客はあとを絶たない。店に入るや商品をまとめ買いをするその姿を見て、店側はうれしさを隠せないでいる。日本のメディアも「日本の内需不足を補っている」と指摘する。
高級ブランドメーカーの直近の決算書を見ると、いずれの企業も日本での売り上げを伸ばしている。エルメスの15年1~3月の売り上げは前年同期比18.9%増となったが、日本での2ケタ増の売り上げが全体をけん引している形となっている。
ベインコンサルタントの調査も、中国国内での消費は伸び悩んでいるものの、海外での消費は極めて活発だと指摘している。2014年の中国人の海外での高級品の消費額は前年比9%増の3800億元に達し、そのうち代理購入も550~750億元の規模に達している。為替の影響もあり日本と欧州が主な買い物の目的地となっている。
日本観光局の統計によると、今年2月に日本を訪れた外国人観光客は138万人に上り、そのうち中国からの観光客が36万人と最も大きな割合を占めている。寒い2月と暑い8月は日本では商売の閑散期とされるが、中国人旅行客のおかげで多くの企業が潤っている。