▽買うは易く維持は困難
中国人の買い手が米国で新居を手に入れた場合、維持費が相当な出費になる。
まず毎年、現地政府に不動産税を納めなければならない。不動産税は建物と土地の価格に直結するもので、ここ数年の米国の土地価格は2008年の金融危機以来の停滞ぶりから徐々に「覚醒」しており、不動産にかかる税金も年々上昇する傾向にある。
米国のオンライン不動産仲介会社のジローがサイトで発表した情報によると、ボストンの郊外にあるブルックラインの居住面積323平方メートル、5寝室3浴室の戸建て物件の場合、ジローのサイトでの分譲価格は139万9千ドル(約1億7216万円)、賃貸の場合は一月の賃料が5296ドル(約65万1千円)で、不動産税は05年の年間7502ドル(約92万3千円)が、14年は9789ドル(約120万4千円)となっている。
米国人と生活スタイルが異なる中国人にとって、部屋の内装や家具の変更もばかにならない出費だ。ボストンで不動産を購入した江さんは次のように話す。「伝統的な米国の家庭では油を使って炒め物をすることが少なく、部屋に備えつけの換気扇では中国人の台所に対するニーズに対応できない。そこで中国人の買い手が家に手を入れる時には、まず換気扇を取り替えることになる。だが米国の台所はトータルデザインで、統一された美しさを求める人は、往々にして台所全体の設備を取り替える選択をする。こうした費用は1万ドル(約123万円)を超える」。