第一に、枠組みとしては多くの政策があるが、具体的な内容は少ない。確かに「科学技術とイノベーションによる生産力の向上」は経済振興の王道と言えるものだ。
しかし「リスク投資する企業の支援に対する政策の進捗表を年内に作る」や「イノベーション研究会を設立してビッグデータの推進や人工知能技術に関する課題について年内にまとめる」、「国家戦略特区でドローン技術の実証と制度改革の検討をする」などの諸計画を見ると、今後の内閣に宿題を丸投げしているに等しく、実行性が疑われる。
第二に、新戦略は明らかに、経済発展のためというより政治的な安全性に力点を置いている。与党と野党の矛盾の激化を避けるため、また、安保方案を有利な条件で通過させるため、日本政府が昨年提出した農協関連の方案や農地移転促進のための税収改革関連法案などは、すべて自民党によって棚上げされた。現在までに、昨年の改革目標はまだ実現に至っていない。